龙猫星 LINE スタンプ制作ログ
(画風統一編)

「描き直し」から「リマスター」へ
第一弾と第二弾のスタンプ、描き方が違うことに気づいた。
内容はそのまま、描き方だけ揃えたい。
それだけのことが、なかなかうまくいかなかった。
AI と一緒に試行錯誤した、検証の記録。

はじまり ── 第二弾で気づいたこと

第一弾の LINE スタンプを制作し、公開した。そのまま第二弾のたたき台に入った。ポーズ、表情、構図、小物 ── ひとつずつ組み立てていく。

ここで気づく。

第一弾と第二弾で、描き方が違う。

内容は気に入っている。ポーズも構図も、このままでいい。変えたいのは描き方だけ。第一弾の画風に揃えたい。

それだけのことだった。

最初の試み ── 基準画像を作る

まず「龙猫星 基準画像」を作った。キャラクター設定を細かく固定する。顔、耳、花飾り、尾鰭、前足、後ろ足なし、毛糸質感 ── ひとつずつ言語化して、AI に渡した。

「これを基準に、描き直してください。」

結果は、描き直しではなかった。キャラクター自体が新しく作り直されてしまう。何度やっても、別の猫になる。

龙猫星ではない何かが返ってくる。

原因を探る ── なぜ新しい猫になるのか

立ち止まって考えた。

AI は「描き直す」を「新しく作る」と解釈しているのかもしれない。

もうひとつ、「画風」と「キャラクター設定」が混ざっている可能性がある。基準画像の説明が強すぎて、AI が自由に動けなくなっているのではないか。

そこで「龙猫星 基準画像2」を作った。

今度は、固定する項目と、演技として変更していい項目を分離した。「同じ龙猫星が演技しているだけ」という考え方に変える。「描き方・シルエットを維持」という文言を削除し、「キャラクターデザインは維持し、ポーズ・構図は自由に変更」に書き換えた。

さらに検証 ── 様々な表現を試す

一枚ずつ修正。十二枚まとめて修正。「画風だけ統一してください」「第一弾と同じ龙猫星本人」「同じ個体」「キャラクターモデル」── 様々な表現を試す。

結果。コントラストだけ変わる。新しい猫になる。思ったような修正にならない。

表現を変えても、AI の解釈が変わらない。

発想を変える ── 画像生成ではなく、リマスター

ここで一度、目的を整理した。

やりたいこと:第一弾と第二弾の描き方を統一したい。それだけ。第二弾は完成している。変更したいのは描き方だけ。

つまり、AI に頼んでいたのは「新しい絵を描くこと」ではなかった。

画像生成ではなく、リマスター。

考え方を変えた。

「第二弾は完成しています。新しいイラストを制作する依頼ではありません。第一弾の描き方へリマスターしてください。第一弾を描いたイラストレーターが描き直した状態にしてください。変更するのは描き方のみ。第二弾の内容(ポーズ・構図・小物・表情・演出)は変更しません。」

プロンプトをこう書き換えた。

検証結果

出力を確認した。

第二弾の内容 ── ポーズ、構図、小物 ── はそのまま残っていた。変わったのは描き方だけ。

「リマスター」という作業定義に変えたことで、AI が「何を保持し、何だけを変えるか」を区別できるようになった、と考えられる。

ただし、これが毎回再現できるかは、まだわからない。今回の一例として記録する。

仮説と考察

今回の検証から、いくつかの仮説が立つ。

仮説一:AI は「描き直す」という指示を「新規制作」として処理する傾向がある。「既存画像を変換する」とは異なる経路で動いているのかもしれない。

仮説二:「何を描くか」ではなく「どんな作業をするか」で指示した方が、変更範囲を限定しやすい。

仮説三:完成した作品の画風だけを変えたい場合、「変更する対象」と「変更しない対象」を明示的に宣言することが、想定外の変更を防ぐ手がかりになる。

「描いてください」と「この作業をしてください」── 依頼の枠組みが違うだけで、AI の挙動が変わる可能性がある。

次回は、この仮説が別のケースでも再現するかを確認したい。

あとがき

最初から「リマスター」という言葉に辿り着いていたら、ここまで試行錯誤はしなかった。でも、うまくいかない経験があったからこそ「なぜ伝わらないのか」を考える時間が生まれた。遠回りのようで、実はその過程自体が検証だったのかもしれない。

このページについて

このページは、実際の制作・検証ログをもとに整理・公開しています。

完成した作品だけではなく、試行錯誤や検証の過程も、P.M.O. Labo の研究記録として残しています。

その時点での考え方や検証結果をそのまま記録しているため、今後の研究や制作によって内容が更新・発展する場合があります。

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